有料老人ホーム
第三者委員は、今後、介護業界において、もっと浸透させていくべきもの。
株式会社サンケイビルウェルケア
運営統括部部長 東元学 様
法人DATA
資 本:株式会社サンケイビル100%出資
分 野:高齢者介護
サービス:介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護事業)
地 域:東京都 千葉県 埼玉県
WEB ▶︎:http://www.sankeiwellcare.com
誰もが知っている日本の巨大複合企業群フジサンケイグループが、2011年4月、高齢者介護事業に参入。「Value aging」を事業コンセプトとして、これまでの「お世話型の介護」ではなく「自立支援介護」を積極的に推進する独自の介護スタイルを追求。「ウェルケアガーデン」「ウェルケアテラス」のブランドにて首都圏エリアに介護付有料老人ホーム6棟を運営している(2017年10月現在)。
----------第三者委員を導入されたきっかけは?
お客様から何らかの苦情があった場合、当事者だけではなく、第三者組織を加えた苦情解決がなされることが望ましいことは、以前より社内で検討をしてきました。対応としては、厚生労働省の指針に示す通り、第三者委員を置きたいと考えていましたが、コスト的に見合わない状況でした。
そんな中で、第三者委員を他社と共同設置するという聞き慣れないサービスがあることを知り、考えられないほど安い年間基本料金にもかかわらず、それぞれの第三者委員が専門性を有しているというクオリティの高さに驚き、早速、社内に導入することとしました。
----------第三者委員をどのように活用されていますか?
第三者委員を設置してからというもの、そこに相談することができるという安心感については、お客様そしてスタッフに対しても供与できていると感じており、まずその点においてメリットがあると考えています。
当社は関東圏に介護付有料老人ホームを4棟運営するだけのまだまだ小規模な会社であり(注:2014年取材当時)、管理の目もかなり行き届いていることから、お客様からさほど多くの苦情をいただいてはいませんが、第三者委員に苦情報告書を定期的に提出し弊社の状況を日常的に把握してもらっています。
それから、これはあまり言いたくはないのですが、介護業界においては第三者委員の設置率がまだまだ低い状況にあるため、公募事業への応募の際などには苦情解決体制が万全ですよと、さりげなくアピールしています。
----------第三者委員への改善点やご要望は?
介護事業は大会社によってシェアが占められているということはなく、たくさんの玉石混交の小規模な会社が乱立している状況にあります。そういった面から介護業界のサービスの質の向上はまだまだ発展途上にあります。
これらの小規模な会社において、お客様から寄せられる苦情に関しては、できれば避けたいと考えることはあっても、まだまだ自社のサービス改善に活かすことが出来ている会社は少ないのではないかと考えられます。
その点において、事業規模にかかわらず第三者委員を設置し、お客様の苦情を大切にし、サービスの質向上につなげることができる仕組みとして、第三者委員は非常に画期的であると考えており、今後、多様な価値観をもつ「団塊の世代」の受け入れが急速にはじまる介護業界においては、とりわけ、もっと浸透させていくべきものと期待しています。